紅茶に合わせるお菓子といえば、やはりスコーンは欠かせません。特にミルクティーとの相性は抜群です。
スコーンはイギリス発祥の伝統的なお菓子で、材料は小麦粉、バター、ベーキングパウダー、牛乳やクリームなど。お菓子作りをされている方なら、「あれ?」と思われたかもしれません。そう、スコーンにはお菓子の基本材料のひとつである砂糖や卵が入っていないことが多いのです。
卵を入れるか、砂糖を入れるか、それとも入れないのか——実はここがしばしば論争になる部分です^^
卵を加えるかどうかは、風味、膨らみ具合、食感などに関わってくるため、こだわりの分かれるところ。
砂糖を加えるのは、クリームなどを載せずに、スコーン単体で食べることを想定しているレシピによく見られます。
今日は、そのスコーンと一緒に食べる「クロテッドクリーム」についてのお話です。
「クロテッド(clotted)」とは「固まった」「凝固した」という意味。
脂肪分の高い牛乳を加熱し、表面にできた乳脂肪分をすくい取って作られるため、この名が付けられました。
食感はバターよりも柔らかく、生クリームよりも濃厚。脂肪分はおよそ60%前後で、両者の中間のようなリッチな風味が特徴です。
さて、このクロテッドクリームをスコーンにどう載せて食べるか——ここでも好みが分かれます。
まずスコーンは、「オオカミの口」とも呼ばれる自然な割れ目を手で割って上下に分けます(たまに上からフォークやスプーンを刺して、スコーンを“爆発”させてしまう方もいらっしゃいます(^^;)。
さらに半分に割ったスコーンを一口大にして、そこにジャムとクリームをたっぷり載せていただくのですが、どちらを先に載せるかで、「こだわり」や「論争」が生まれるのです^^
●ジャムが先(コーンウォール式)
コーンウォール式では、まずジャムを塗り、その上にクリームを載せます。
ジャムが下にあることで、クリームがスコーンの熱で溶けにくく、濃厚な風味がしっかりと味わえます。
また、スコーンのサクサクとした食感もより楽しめるという利点があります。
●クリームが先(デヴォン式)
デヴォン式では、クロテッドクリームを先に塗り、その上にジャムを載せます。
スコーンの熱でクリームがほんのり溶け、しっとりとした食感を楽しめます。
ちなみに私は、まずジャムを塗って土台を作り、その上にクリームを山盛りにする、コーンウォール式派です。
理由は、最初にクリームを載せると、その上のジャムが不安定になって、こぼれやすくなるから。
クリームは「塗る」のではなく「載せる」のです^^
もはやスコーンを食べているのではなく、クリームを食べるためのスコーン、といっても過言ではありません(^^;
そして、スコーンがまだ口の中にあるうちに紅茶をひとくち。すべてが一体となった瞬間、幸せが訪れます^^
さて、あなたは、ジャムファースト? クリームファースト? どちらがお好みですか?
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